外銀とは(1)

今日は外銀について書いてみたいと思います。
外資投資銀行、略して外銀。
大学生が新卒で入る企業群の中では最も平均年収の高い業界でしょう。
投資銀行とは何をしているか。そもそも日本にある銀行と何が違うか。
あくまで自分の理解の範疇でですが、書いてみます。


銀行には大きく分けて2つの形があります。
商業銀行と証券会社です。

商業銀行とは一般の顧客から借りたお金を企業に貸したり
不動産やら株式やらに投資したりという普通の銀行のことです。
(思いつく日本の銀行は全てこれ。メガバンクも街の信金も)
一般の顧客から借りたお金でビジネスを行なっているため
基本的に大きなリスクは取れません。
が、自分たちでリスクを取ってはいます。リスクを取った分だけ儲けが出るからです。
例:
M銀行にAさんが100万円貯金しました
M銀行はその100万円をS会社に利率10%で貸し付けました(ここがリスク)
M銀行はその利息からAさんへ払う利息分をひいた額を儲けとしています


一方証券会社は預貯金業は扱わず
個人や機関投資家(資産の運用会社)などに金融商品を作って売ったり(証券部門)
M&Aアドバイザリーや資金調達のサポート(投資銀行)を行う企業のことです。
お金を貸し付けたりはしないため、基本的に企業からもらう手数料を
自らの収益源にしています。かなり莫大です。
主に証券部門(マーケット)と投資銀行部門(IBD:investment banking division)に分けて考えられます。

例(IBD):
証券会社Gの投資銀行部門はS会社にT会社とのM&Aを提案しに行きました
S会社は最近業績の伸び悩みを感じており、渡りに船とそれを承諾します
しかしそのM&Aにはとにかく手間とお金がかかります。
その手間(T会社の価値算出やM&Aのサポート)とお金(三百億程度)の調達を
Gが請け負うこととし、その手数料として
三百億円の3%、9億円をGは手に入れるのでした。


みたいなことがよくある世界です。とにかく動く額が莫大。
一方マーケットは


例(マーケット):
IBDの例の続き)三百億円の調達にあたって、S会社は社債を発行することに決めました。
それを証券会社Gはいろんな所に売りさばくわけですが
その時買うところがマーケット部門。
いろんな会社はその債権を買って、一般の客だったり
他の会社だったりにいろんな形で売ります(他の債権と混ぜたりして金融商品にする)
その差額で儲けが出る。

また、純粋に市場に流れている国債や株、通貨などを買ったり売ったりする部門もここです。
自己勘定でしている部門もあり、そういう所のトレーダーになると
べらぼうに儲けたり(1年に億行く事もあるとか)
速攻で首を切られたり(結果でないと会社にとって大きなマイナスなので)
浮き沈みの激しい人生を送ることにもなります。


こんなかんじでしょうか。
一般に外資投資銀行IBDとマーケットどちらの部門も持っていますが
個人を顧客にはしていません。
市場などで持ってきた株などを他の金融機関に売って儲けを出しています。
就活にあたって、まずはIBDとマーケットの違いを良くわかっておきましょう。
やってることは全く違いますし、採用のプロセスも全然違います。


<おすすめ本>
IBDについては下で挙げるいろいろな本が参考になりますが
マーケット部門に関しては正直中々本がありません。
黒木さんの小説が一番近いのですが、トレーダー部門にしかスポットが
当たっていなかったりしてなかなか難しいです。
また今度まとめてみます。



図解 株式市場とM&A 保田隆明


投資銀行青春白書 保田隆明

どちらの本もIBDの仕事をとてもわかりやすく書いている良書です。
ぜひ受ける前に一読をおすすめします。仕事の内容がより想像しやすくなるはずです。



サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか ジョン ロルフ

上の二冊がIBDの仕事の内容を把握する本なら
こちらは仕事の実情を把握する本でしょう。
IBDに就職を考えているならこちらも一読しておいて、覚悟を決めて入るべきです。



ハゲタカ 真山仁
直接外銀が関係するわけではありませんが
華々しい金融の世界を読める小説の一つです。
真山さんと下に挙げる黒木さんの本は読んでおくといいと思います。



トップ・レフト 黒木亮

ハゲタカと同じたぐいの小説ですがもっと外銀よりの話が読めます。
いろんな小説がありますがどれも面白く読め、知識もつくので
ぜひ読んでみてください。「巨大投資銀行」などもおすすめ。




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